100%茶成分で、味はアミノ酸独特のだし味。
お湯に溶かすと塩味とよく合う。
味噌汁やスープ、ジュースなど、味の濃いものに溶かすとコク味となります。
ストレスによる神経興奮性伝達物質であるグルタミン酸は、テアニンによく似たグルタミンとして脳内に引き入れる器官(グルタミントランスポーター:GTP)を通して入った後、グルタミン酸に分解されて興奮作用を引き起こすのですが、テアニンはGTPに、その類似の化学構造から付着し易く、グルタミンの侵入を阻害すると考えられます。
こうしたことから、継続的なテアニンの摂取により、脳に対する保護作用、神経伝達物質への影響、短期ストレス時の軽減効果等があることが報告されています。
テアニンはお茶特有のアミノ酸ですので、自然界ではお茶以外にはありません。
(*一部紅藻類に見られますが少量です。)
従って、お茶から抽出して製造するのが普通ですが、その含量は少なく、比較的多く含む(それでも2%程度)高級な覆い茶から抽出する必要があり、これまでは価格が非常に高く、食品には使えませんでした。
それに比較して合成テアニンは安価に製造できますので、合成テアニンの発売と共に、沢山のテアニン含有サプリメントが商品化されたのです。それにより効果の認められた機能性食品の需要が拡大し、テアニンマーケットも2013年には年間26億円に達しました。
生物(動物も植物も)が安全を獲得してきたのは長い歴史があるのです。(左図参照)
原料Aと原料Bから合成によって必要な物質を作っています。合成反応は副反応を伴い、いくつかの目的外の物質も出来てしまいます。何万年ものその繰り返しは、やがてその中に毒物がある生物Aは滅びてしまいます。生物Bも効率が悪く生存競争に不利となります。現在の生物はCとなり、必要な物質のみを作る形質を受け継いでいるのです。
天然であっても生物が毒として合成したものは毒です。その生物が敵を攻撃する、あるいは身を守るなど必要があって作られている武器といえます。それが安全かと問うのは筋違いでしょう。問題は安全であるべき物質を合成した時の安全度が問題で、毒物として作られた場合とは異なります。安全が必要な物質について天然と人為的な化学合成の安全度合いには違いがあるのです。
テアニン合成法での化学合成品は原料であるエチルアミンです。
公表された文献「脂肪族アミンの製法有富勇美・神尾弘義」によればその合成法は「エタノール:NH3:H2=1:0.9:1.8のモル比の混合ガスを約150℃ に予熱し合成塔に送りこむ。合成塔には、シリカ・アルミナ担体にNi,Cr,またはCuを含浸せしめた触媒が充填されている。
反応は160~190℃, 約15~19気圧で行われ,三種類(モノ,ジ,トリ)エチルアミンの生成比は、反応条件により異なる。」
モノエチルアミンはテアニンに必要な原料です。しかし副産物のジエチルアミンおよびトリメチルアミンは農薬(除草剤)などに使われる化学物質です。これらは反応後に完全に取り除く必要があります。
これは上の図にある生物Aの場合に当てはまります。
では茶樹はエチルアミンをどうやって得るのでしょうか。
天然のアミノ酸フェニルアラニンの脱炭酸酵素反応で作る2-フェニルエチルアミンを酵素分解してエチルアミンのみを得ているのです。ジエチルアミンやトリエチルアミンは絶対できない方法です。